リノベでテレワーク・在宅勤務を快適に!オシャレで仕事に集中できるスペースづくり

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テレワーク空間でさまざまな役割をこなす小上がりスペース

令和に入り、フリーランスや起業家、副業を許可する企業が増え、いよいよ「多様な働き方」が一般化してきました。また、働き方改革の一環で、政府が推奨してきたテレワークや在宅勤務も、新型コロナウィルスをきっかけに導入が加速し、今や約3割の企業が実施しています。

そんな背景から、自宅にも“仕事ができる環境”を求める人が増えています。しかし、「住居」というオフィスとはまったく異なる環境で、どのようなワークスペースをつくれば良いのでしょうか。そこで今回はリノベーションで快適なテレワーク環境を整える方法をご紹介していきます。

テレワークでよくあるお困りごととは?

自宅はリラックス、リフレッシュするためのプライベートな空間です。間取りや照明など、仕事をするように設計されていないため、在宅勤務をするうえで、以下のようなお困りごとが発生しがちです。

仕事の環境が整っていない

コロナ禍などの要因から、強制的に在宅勤務への切り替えを迫られた人も多いことでしょう。“とりあえず”ダイニングテーブルや、リビングのローテーブルを仕事机に代用しているケースも多いかもしれません。しかし家族と共有している場合は、用事があるごとに仕事用具を片づけなければいけませんし、プリンターやFAXが近くになかったり、照明が暗かったりなど、オフィスとの勝手の違いに不便さを感じることも多いはず。夫婦共働きであれば、スペースの取り合いになることもあるかもしれません。その場合、個人用のデスクを1席でも用意して、仕事環境を整えたいものです。

仕事以外のことが目に入り集中しにくい

自宅で仕事をすると、仕事以外のことが目に入って気が散ってしまいがち。オフィスでは周囲の目があるので簡単にサボれませんが、1人だとさまざまな誘惑に負けてしまいそう。「気晴らしに5分だけ」のつもりが気付いたら半日過ぎていた……なんてことも。

家族の声や屋外の騒音などの「音」が気になる

一般的な住宅には特別な防音設備が整っていないため、生活音や屋外の騒音など、さまざまな音が聞こえてきます。そこに子どもが帰宅すると、より一層生活音は大きくなります。業務に集中できないだけでなく、オンライン会議中に家族の声が相手に聞こえないか気になり、ストレスを感じる人もいるでしょう。

仕事とプライベートのメリハリがつかない

仕事もプライベートも同じ空間で過ごすため、1日のメリハリをつけにくいと感じる人も多いでしょう。始業時間と終業時間が曖昧になりやすい在宅勤務では、だらだらと時間を過ごしてしまいがちです。在宅ワークで生産性を高めるには、オンとオフを切り替えられるように、空間を分けるなどして対策しましょう。

テレワークで仕事に集中できるスペースをつくるコツ&それぞれの予算

リノベーション計画

リノベーションによって在宅勤務中の集中力と生産性を向上するには、どのような方法があるのでしょうか。1つは書斎的な空間をつくること、もう1つは防音対策を講じることが挙げられます。

テレワーク用のオシャレな書斎(小部屋)でモチベアップ

自宅内に仕事専用のスペースを確保できれば、自然と気持ちのオン・オフを切り替えられて、集中力もアップするはずです。ワークスペースは、おもに個室・半個室・オープンスペース型の3種類に分けられます。どれが自分たちにとってぴったりかを判断するために、以下の4項目をリノベーション前に整理しておくと良いでしょう。

  1. 業務内容
    在宅ワークの頻度・継続性、オンライン会議の開催頻度、集中力のいる業務か、デスク以外に作業スペースが必要か、保管する資料の量など
  2. 必要設備
    ネット回線のスピード、プリンター、FAX、スキャナー、ペンタブレット、シュレッダー、照明、本棚、エアコン、その他機器など
  3. 家族との距離感
    生活音を遮断できる場所、家族の様子を確認できる場所、家事と両立できる場所など
  4. 実現性
    スペースを確保できるか、照明・エアコン設置可能か、コンセント位置、動線、予算など

集中力を上げたい、プライベートと分けたい人は完全個室がおすすめ

集中力のいる業務や、定期的にオンライン会議が開催されるなど、プライベートな空間からワークスペースを遠ざけたい人は、遮音性の高い「完全個室の書斎」がおすすめです。食事などの休憩時間や、終業後の家族との時間は他の部屋で過ごすため、オンとオフの切り替えがしやすいのもポイントです。

本棚と作業用のデスク&チェアを置くだけであれば2畳~3畳で、デスク&チェアのみであれば1畳ほどでつくることができます。リノベーションの際には、使っていない一室や物置・クローゼットの空間、広めの部屋の一角に間仕切りを設けるなどして、ワークスペースを確保します。造作(ぞうさく。作り方)にもよりますが、50万から100万円程度の予算を見ておくと良いでしょう。

おしゃれな壁紙や置き小物など、自分好みの空間に仕上げれば、仕事へのモチベーションも上がります。在宅勤務体制が解除になった後やライフステージが変わった際も、趣味用の「こもり部屋」や受験用の勉強部屋など、別の用途にも使えるような一室にすると活用の幅が広がるでしょう。

ほど良い距離感でしっかり仕事できる半個室の書斎

狭い個室の閉そく感が苦手な人や、家族と近くにいたい人は「半個室の書斎」がおすすめです。戸建てなら階段下やロフト、LDKの一角など、1~2畳分のスペースを確保できれば、リノベーションは可能です。元からある壁や空間を利用できれば、予算は30万から65万円程度におさえられます。

半個室の場合はドアがないので、個室ほどの遮音性はありません。しかし、専用照明を設けたり、壁で視線を遮ったり、工夫次第では集中しやすいワークスペースをつくることができます。リビングの横に設置すれば、家族の存在を感じながらの仕事も可能です。

子どもの勉強机とも兼用可能なオープン書斎

家事と仕事を両立したい人や、スペースを確保しにくい間取りの家には、オープンスペースの書斎がおすすめです。机1つ分(横幅約80センチ)あれば、パソコンの作業スペースとしては十分なので、リビングやキッチンに隣接したカウンタースペースや、廊下の一角などを活用できます。

家事動線の上にワークスペースがあれば、仕事の合間に家事をこなすこともできます。また、親が使わないときは、子どもの勉強机としても応用できます。机と棚の造作だけであれば、予算は10万程度におさえられるでしょう。ただしオンライン会議の際は、家族の映り込みや、音モレは避けられません。簡易的なパーテーションを背面に立てるなどして対応しましょう。

オンライン会議で音モレしない!防音対策

屋内外の騒音が気になって仕事に集中できない人や、オンライン会議の音モレ対策をしたい人は、防音対策がおすすめです。それぞれのケースにぴったりな防音対策方法をご紹介します。

足音対策には防音マットを

家族の足音が気になる場合、人が集まるリビングなどの床に防音マットを設置しましょう。フローリングと一体になった防音マットに張り替えるリノベーションの費用は、1平方メートル当たり1万円なので、13畳で約24万円になります。カーペットの下に防音マットを敷くだけの簡易的なものであれば、4畳分なら3万円程度で購入できます。マンションの室内で運動をする人にもおすすめの防音対策法です。

屋外の騒音は遮音カーテンで軽減

車の走行音など屋外の騒音が気になる場合は、内窓をつける、もしくは外窓を防音ガラスに変えるリノベーションがおすすめです。
既存の外窓に厚さ5ミリ以上のガラスの内窓を設置すると、外窓と内窓の間の空気層がクッションとなって音が通りにくくなり、遮音性が高まります。リノベーション費用は窓のサイズにもよりますが、1700×1800ミリの窓で10万円程度の予算感です。
防音ガラスは、2枚合わせのガラスの間に特殊な中間膜を挟んだガラスや、合わせガラスの中間層を真空にしたガラスなど、いくつか種類があります。遮音性は内窓に比べると劣りますが、ガラス自体に紫外線カットなど機能の追加が可能です。交換費用は防音ガラス1平方メートル当たり3万円~6万円が相場のようです。
費用の捻出が難しい場合は、簡易的な対策として防音(遮音)カーテンもおすすめです。外からの騒音を軽減したり、声が室内に響くのを抑えたりする効果があり、遮光効果や遮熱効果を兼ねたものもあります。値段はサイズによっても異なりますが、5,000円から2万円が相場のようです。

ダイニングテーブル周りに防音パーテーションを設置して個室風に

自宅に書斎や専用の机を確保できない場合、ダイニングテーブルの周りに吸音効果のある素材のパーテーションを立てれば、簡易的な個室空間をつくることができます。視界も遮られるため、より仕事に集中しやすい環境となるでしょう。床に置くパネルタイプは約5万~10万円とお高めですが、机の上に置くコンパクトタイプなら1万~2万円程度で購入できます。

個室には天井と壁に防音素材を

リノベーションで新しく個室の書斎をつくる際には、天井と壁に遮音パネルと吸音ウールを下地材に使用すると、防音効果の高い空間となります。さらに遮音性能のあるドアを設置すると、会議や電話の音モレも防げます。

後付け可能な吸音パネルで会話漏れを軽減

今ある壁を利用して書斎をつくる場合は、後付けの吸音パネルを壁に取り付けると、声が室内に反響するのをおさえることができます。使用する枚数にもよりますが、ネットショップでは1枚5,000円程度で購入でき、フックなどで簡単に取り付け可能なのでおすすめです。

リノベ事例|プライベートも仕事も両立するLDK+1と特別な間取り

デザリノではテレワークの環境を整えるのに、どのようなリノベーションをご提案できるのでしょうか。今回は、デザイナーの中村航さんがプラニングした事例をご紹介します。

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柔軟な発想と実績から、印象的で唯一無二の住まいづくり デザイナー中村航さんプロフィール

ご依頼いただいたのは、“プライベートも仕事も両立したい”というご夫婦。これまで人に貸していた五反田のマンション(2LDK)をリノベーションして、自分たちで住もうと考えたそうです。ご夫婦それぞれが本職以外でも多方面で活躍されているため、お二人ともオフィスを兼ねた自宅を希望されました。

“オフィス”といってもお二人がイメージされていたのは、人が集まり、新しいアイディアやビジネスが生まれるコワーキングスペースのようなオープンな空間です。またもう一つ、五反田はお二人にとって大切な“始まりの場所”のため、自宅にも初心に戻してくれるような象徴的な空間が欲しいとのことでした。

そんなご要望を受けてデザイナーの中村さんが提案したのは、家の中心に木の風景を取り入れた1LDKの自宅兼オフィスです。オフィスのメイン空間となる13.1畳のLDKには、オンライン会議用のテレビとソファ、キッチン設備のみがあり、利用状況次第で部屋のレイアウトを自由に変えられるようにしています。そしてリノベーションの肝となるのが、LDKの横に位置した4.2畳の小部屋の壁を抜いてつくった、小上がりの空間です。

テレワーク空間でさまざまな役割をこなす小上がりスペース
同じ木材でキッチンカウンターや、テレビ台を造作することで、ホワイト&グレーのスタイリッシュな空間に「統一感」と「木のぬくもり」をプラス

 

テレワーク空間でさまざまな役割をこなす小上がりスペース
木の引き戸の向こう側に小上がりスペースが広がる

小上がりとLDKは多様な役割をこなします。小上がりの引き戸を閉めれば、リビングと趣味の小部屋などプライベートな空間になり、夫婦それぞれが仕事をする2つのオフィス部屋が出来上がります。そして引き戸を開ければ、人が出入りする会議室、パーティースペースなど、パブリックな空間に変化します。

このような可変性のある空間デザインは、プライベートと仕事を柔軟に切り替え、どちらも楽しむお二人のワークスタイルにこそ、ぴったりといえます。

また、お二人がご希望された“特別な空間”を生み出すのに、小上がりが大きな役割を果たします。ちょうど家の中心に当たるこの小部屋は、いわば家の心臓部分。床も、間仕切りも、壁一面の飾り本棚も、調度のすべてを無垢木材で統一しており、部屋に上がると景色が一変し、“特別な場所”であることが一目で分かります。ベランダから差し込む陽射しに、心が自然と穏やかになり、ご夫婦にとって聖域のような場所となるでしょう。

テレワークがしやすい快適な空間を作るには

昨今のような多様な働き方が広まってくると、“自分らしい働き方”にも興味が湧いてくるでしょう。他の人と同じ無機質なデスクよりも、自分好みのものに囲まれた書斎で仕事ができれば、モチベーションも生産性も上がるに違いありません。

自分らしい書斎をつくりたい方は、ぜひデザリノにご相談ください。デザリノでは1部屋のリノベーションから、デザイナーが親身に相談に乗り、なかなか見えづらい空間の活かし方や、新しい空間表現方法をご提案いたします。ぜひ相談してみてくださいね。

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