事例|完全分離二世帯の間取りがリノベで激変!広々とした「居住空間」と「賃貸空間」で副収入
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今回ご紹介するのは、築35年の完全分離型二世帯住宅を「賃貸と住宅」にリノベーションしたS様の事例インタビューです。
S様は、それまで二世帯住宅で同居していたお母様が亡くなられたことがきっかけで、住まいについて検討することになりました。当初はどのように活用すべきかとても悩み、完全分離型の二世帯住宅ゆえに「間取りの変更が自由にできないのではないか」「いっそのこと売却してしまおうか」と考えたほどだったそうです。
しかし、デザリノの建築家からの提案が、S様にとって良い意味で予想外のものだったことで、リノベーションした後の住まいへの期待が高まり、ついに理想の広々としたリビングを実現することになります。どのように間取りを変更し、賃貸併用住宅としての活用に成功したのか、S様にお話を伺いました。
- 施主:S様
- 年代:70代
- 家族構成:夫婦2人
- リノベーションした背景:二世帯で同居していた母親が亡くなったこと
- 建物種別:戸建
- 築年数:築 35 年
- 費用:1,780万円(税込)
- 延床面積:200.97㎡
- 工期:3ヶ月
目次
残された完全分離型二世帯住宅…。リノベーション決定までの悩みと葛藤
以前は、表玄関側にお母様が、奥の玄関側にS様世帯が居住していた
二世帯住宅の活用について、当初はどのようにお考えでしたか?
母が亡くなり、二世帯住宅をどのように活用したらよいか悩んでいました。私たち夫婦には、以前母が住んでいた「表札がある表玄関側の世帯」に居住したいという思いがありました。でもそうなると、居住面積が狭くなってしまい、夢だった「広々としたリビング」を実現するのは難しいかも、と思っていたんです。
表玄関側のお母様世帯の方が面積が狭く、旧S様世帯の方が広かった
完全分離型の二世帯住宅だけに、大幅な間取り変更はできないかもしれない。しかし、現状の間取りのまま旧母世帯に居住すると自分たちの居住スペースが狭くなってしまう、というジレンマに悩んでいました。
活用方法が見つからず自宅の売却・移住も検討
どのような経緯でリノベーションを決めたのでしょうか?
完全分離型二世帯住宅の場合どのような活用方法があるのか、インターネットなどで情報収集しましたが、なかなか良い情報に出会えませんでした。
いっそ売却し、高原の別荘地へ移住することも検討しましたが、実際に高原に住んでいる方の話で「冬は寒い」ことが課題に。それならば夏だけ高原に居住し、冬は戻ってくるというアイデアが浮かびました。
そこで、自宅の庭を売却し別荘の購入資金にあてようと考えましたが、その場合、土地の建物割合が高くなってしまいます。建ぺい率(※)の問題があって、もし売るなら建物も小さくしないとダメだということになり、その資金調達のためには今ある建物すべてを壊して、更地にしてから売らないといけませんでした。
いろいろ考えた結果、やはりリノベーションが良いのでは?と思い至りデザリノに相談した、という流れです。
※建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合。その制限は用途や地域などの条件で変わってくる。上記は、建ぺい率が60%の場合の例。
リノベーションの背中を押した初孫の存在
お孫さんの存在もリノベーションのきっかけになったのですか?
実はもうひとつのきっかけとして、娘の妊娠がありました。ちょうど妊娠初期に、デザリノにリノベーションの相談をしており、「孫を綺麗な家に呼びたい」という気持ちがとても大きく芽生えました。娘も「リノベーションで綺麗になった家に遊びにいきたい」と言っていましたし。
娘の出産とリノベーション工事の時期が被ってしまったので、里帰り出産で来てもらうことはできませんでしたが、これから娘が孫を連れてこの家に遊びに来るのがとても楽しみです。
デザイナーから施主の予想を超える提案で目から鱗の間取りに!
リビングは2階に変更し広いスペースを確保
デザリノに依頼してからの流れを教えていただけますか?
まず、デザリノの担当者とお会いし、それからデザイナーの方をご紹介いただきました。そこからトントン拍子で打合せが進み、自宅のリノベーションが完成した、という流れです。
デザリノの須川デザイナー(一級建築士)との相性が良かった
担当のデザイナーとのマッチング、提案内容はいかがでしたか?
デザリノの建築家の方の中から「構造の特性や実績を考えると、須川さんがよいのではないか」と紹介していただきました。デザリノではデザイナー(一級建築士)の方を紹介いただいた後、設計・デザインの方向性や相性が合わなかったら他の方を再度紹介してもらえるということでした。でも、そんな心配は一切なく、担当の須川さんとは相性がぴったりでした。
そして初めての打ち合わせのときに、思いもよらないような予想外のご提案をしていただいたんです。大幅な間取り変更の発想には驚かされました。まさに目から鱗でしたよ。最初は、予算のことは気にせず希望を詰め込んだ図面を作っていただき、夢を見させてもらいました。そうして全ての要望を図面にしてから、金額面を調整していきました。
完全分離型の二世帯住宅を「広々住める&貸せる」賃貸併用住宅へ
リノベーション後の寝室
当初から「賃貸併用住宅にしよう」と決めていたのでしょうか?
最初は、賃貸併用住宅にしようとはまったく考えていなかったんです。でも須川さんとお話をすすめるうちに、居住部分と賃貸部分の面積配分を大幅に変えるなど、考えてもいなかった提案をしていただきました。
はじめは、貸すとなるとファミリー層向けになるだろうし、その世代は借りるくらいならマイホームを買う、という場合も多いのかな、と少し不安がありました。でも、この立地なら大丈夫だろうと背中を押していただいて。
結果的には、募集してすぐに入居者様が決まったのですが、こんなにスムーズにいくとはと思ってませんでした。素人だから「お金をかけたのに入らなかったらどうしよう」と思っていたんです。でも、それも取り越し苦労でした。
施主の夢を叶えた広いリビング!デザイナーからの予想外なアイデア
リノベーションでどのようなことを実現したかったのでしょうか?
私の希望は「広いリビング」でした。当初は、壁を壊して1階の間取りを大幅に変えて、大きなリビングにしたかったんです。でも、構造上動かせない柱があり、もしそれを実現するならフルリノベーションになってしまうことがわかりました。元の構造を活かした方がムダがないし、費用的にも抑えられるということでした。
そこで、須川さんから「2階リビング」をご提案いただいたんです。2階をリビングにすることは考えてもいなかったので、正直「どうしようか」と悩みました。
最初は不安だった2階のリビング。でも実は大きなメリットが…!
リビングが2階に配置された経緯を教えてください。
これまで1階にあったリビングを2階に配置し、メインの生活空間とすることにはじめは不安がありました。まず、年齢とともに足腰が弱ってくること。もうひとつは、玄関が1階だから来客の際にすぐ出られないこと。でも、よく考えたら、母が93歳まで上り下りしていたので、私も大丈夫かなと思い返しました。
また、須川さんとお話をすすめるうちに、費用面でも「2階リビング」が一番バランスがとれるんじゃないか、という話になったんです。2階をリビングにしたことで日当たりが良いのでとても明るく、さらに面積的にも広いリビングスペースが確保できました。
実は、向こう隣りの建物が2階建てから3階建てに変わり、圧迫感を感じるようになってしまっていたんです。2階リビングではそれが緩和されました。1階をリビングにした場合、2階と比べると明るさは劣ってしまいますし、広々とさせるのも難しく、壁や筋交い(※)が数多く出てきてしまうとのことでした。
※筋交い(すじかい)とは、柱と柱の間に斜めに入れて建築物や足場の構造を補強する部材のこと。
デザリノでリノベーションして良かったこと
リノベ後、お気に入りスペースはどこですか?
リビング内の書斎です。自分たちではまったく思いもよらないような間取りの提案をしていただけたことで、リビング内にお気に入りのスペースができました。
施主の生活スタイルにピッタリなリビング内の明るい書斎
書斎について詳しく教えてください。
書斎は、大幅な間取りの変更により現れた柱と筋交いを活かしたお気に入りのスペースです。これがあるのとないのとではメリハリが違いますよね。
私はこれまでの生活の中で、食卓で新聞などを読んでいて、食事の時間になるとザーッと片づけなければいけないのが、あまり好きじゃありませんでした。リビングに書斎スペースがあれば、食事の時は移動すればいいので助かります。今回のリノベーションでは、柱を逆に活かすことで、とてもおしゃれで明るい書斎になりました。
リビング全体としても、視線が抜けるような作りで広く解放感を保ちながら、書斎スペースがあるというアイデアを提案していただきました。空間としては一体感を保ちながらも、ちょっとした使えるスペース、なおかつメリハリがきく、ということで気に入っています。
ドアがない広々とした空間にあこがれていたので、廊下があってドアがいくつもあるのは避けようと思っていました。この書斎スペースも、部屋にもできるスペースですけど、圧迫感をなくしたかったんです。
デザイナーが作成したCGで完成後のイメージができた
完成したお家は、計画時のイメージ通りでしたか?
実際に完成して、計画時からのギャップや違和感はまったくと言っていいほどありませんでした。設計途中でもCGでイメージを見せていただいたので、本当にわかりやすかったです。柱を活かしたデザインについても、もしCGのイメージがなく、いきなり「柱を露出させましょう」と言われていたら、イメージが湧いていなかったと思います。
娘が建築が好きなので、CGで確認しながらアドバイスをしてくれたり、背中を押してくれたというのも大きかったですね。
一つひとつの建材も現場の雰囲気のなかで丁寧にセレクト
壁紙や床などの建材はどのように選んだのですか?
床材は、設計段階でいくつか候補がありましたが、イメージがわかなくて、そこからは最後まで絞れませんでした。そこで須川さんが「現地の雰囲気を見ながら決めましょう」と提案してくれました。
ある程度出来上がった段階で、実際の光の下で床材のサンプルをあてて見せていただいたので、わかりやすかったです。完成手前の室内で、実際に現地で床材を確認して決められるのは、リノベーションならではですね。光の感じが違うと同じ床材の見え方や質感も変わってくると思うので、実際の環境で確認できたのはとても良かったです。
一級建築士より、これからリノベーションをお考えの方へ
最後に、今回S様のリノベーションを担当したデザリノの建築家・須川哲也に話を聞きました。
建築家がリノベーションをするうえで、おしゃれな空間を作ることが「すべて」ではありません。既存の構造や設備を活かしながら新しくする技術的配慮と、住まい手が生活の中で育んできたものや想いを新しい生活にどう引き継ぐかという想像力。こうしたことがとても重要です。
いくつも選択肢があるなかで、できる限り希望を叶える間取りの提案が柔軟にできるというのが、デザリノでリノベーションをする利点です。完全にオーダーメイドでお客様のライフスタイルに寄り添ったデザインを考えるため、「普通に考えると解決方法がない」状態でも、きちんと建物の構造を踏まえながら幅広いご提案ができるのです。
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