和室を洋室・和モダンにリノベーション

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和室を洋室・和モダンにリノベーション

築年数が古い住宅に多い和室。畳に砂壁、ふすま、押し入れ、窓には障子と、誰もが想像する和室は「古臭い」「格好悪い」という印象を抱くせいか、人気がありません。リノベーションにおいても、和室をなくしてリビングルームを拡張する、もしくは洋室に変えるといった案件が多いようです。

 

しかし、古民家ブームから徐々に和室が見直され、「和モダン」な空間へと進化しているのをご存知ですか。和室のリノベーションを検討している方は必見! どのようなリノベーションをすれば理想の洋室もしくは和モダンな新・和室を実現できるか、詳しく解説していきます。

 

和室を洋室にリノベーションする

現代の住宅は洋室が多く、フローリングが床の大部分を占めています。そのため畳が敷かれた和室は、使い勝手が悪く感じるのかもしれません。

 

和室を洋室にリノベーションする背景

和室から洋室へとリノベーションを検討される人は、以下のようなデメリットを感じているようです。

 

・現代のライフスタイルに合っていない

ベッド、ソファ、ダイニングテーブルなど、今や一般的に使われている家具のほとんどは西洋のものです。これまで畳の上に座布団を敷いて座り、布団を敷いて寝ていた日本人のライフスタイルも、椅子の上に座り、ベッドの上で寝る様式へと変化し定着しました。そのため、床座の和室は現代のライフスタイルに合っていないように感じられることも。

洋風の部屋

・所有する家具が和室に合わない

西洋家具と畳の雰囲気があまり合わないので、インテリアをコーディネートしづらく、和室を持て余しがちに。また、西洋家具はサイズが大きく重いので和室に入れると畳を傷つけてしまう懸念もあります。

 

・メンテナンスが大変そう

表面が平なフローリングとは違って、畳はイグサの茎で織られた「ござ」で表面を覆われています。飲み物などの液体がこぼれるとすぐに吸い込んでしまい、湿気が多い時季には、汚れと相まってカビやダニが発生する可能性も。また、消耗品の畳は年月が経つにつれて傷んでくるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。3~4年経過した際にござの表裏を入れ替える「裏返し」、4~5年後にはござのみを新調する「表替え」を行い、10年を目安に畳ごと入れ替える必要があります。このような手間をデメリットに感じる人は多いでしょう。

 

どうすれば和室が洋室になる?

洋室へのリノベーションは、床だけでなく。壁・天井・ふすま(扉)・押し入れなども併せて施工するため、比較的規模の大きい工事になります。また、戸建の和室の場合は、より工期・工費がかかる可能性があるので注意しましょう。

 

・床材の変更

畳とフローリングでは、下地からまったく異なるため、床材を変えるだけの単純作業では終わりません。(必要であれば)断熱材を敷き詰め、下地の根太(ねだ)という横木の間隔を配置し直してから、床材を張っていきます。畳の厚さが40~50ミリに対して、フローリングは12ミリ程度しかないため、隣り合う部屋との段差調節も必要です。

 

・壁・天井の変更

壁や天井の変更は、マンションと戸建てで工事内容が異なります。マンションの場合、構造自体は洋室と変わらないため、壁紙クロスの変更と、天井と壁、壁と床の継ぎ目部分に巾木(はばき)や廻り縁(まわりぶち)で仕上げをします。一方、戸建の場合は、柱や梁を露出させる「真壁(しんかべ)」が多く、柱や梁を隠す「大壁(おおかべ)」へのリノベーションが必要です。耐火ボードの張り付け、柱が隠れるまでの厚みを調整するなど作業が追加されるため、マンションよりも費用がかかります。

 

・扉の変更

和室のふすまは、洋風な引き戸への工事が最も簡単で、建具本体と敷居の交換のみで完了します。ドアのような開き戸に変更したい場合は、隣室や廊下との段差を埋める工事が必要です。

 

・収納を変更

押し入れをクローゼットに変更する際は、ふすまの撤去、扉材の取り付け、内側の仕切り材やハンガーパイプの設置工事を行います。一般的な押し入れの奥ゆきは800~900ミリに対して、クローゼットの奥ゆきは550~600ミリなので、デッドスペースをつくらないように、中の仕様を工夫しましょう。ウォークインクローゼットにしたいときは、予算を多めに組んでおくのがおすすめです。

 

和室をおしゃれで和モダンな空間にリノベーションする

古民家ブームで和室に注目が集まる中、日本の住宅ならではの和室がなくなるのはもったいないと感じる人もいるのではないでしょうか。そんな方におすすめしたいのが、おしゃれな和モダンな新・和室へのリノベーションです。

 

和モダンな空間とは?

「和モダン」とは、元々の「和」の雰囲気を残しつつ、「洋」の要素を取り入れたトレンドのインテリアデザインです。他のフローリングの部屋とも調和がとれ、住居全体に統一感が出ます。和室の構造を活かすため、完全に洋室にリノベーションするよりも低コストで工事が可能です。また、和室よりも自由度が高く、部屋の用途に合わせて「洋」の要素を入れられるのも魅力といえるでしょう。

 

例えば、趣味部屋にするときは、部屋の中央に畳を敷いて、周りにフローリングを張れば西洋家具を置くことができます。ダイニングの隣に位置する和室であれば、間仕切りを障子だけにして、普段は家族が団らんするリビングに、来客時は障子を閉めて客間に、と使い分けも可能です。大がかりの工事ではなくとも、砂壁をクロス壁にする、フローリングとも相性が良い縁なし畳(琉球畳)に替えるなど和室の1ヵ所を変えるだけでもガラリと印象が変わります。

 

和室を残すメリット

和室は元々日本の気候に合った部屋であり、屋内を素足で過ごす日本人にとって本来快適さを感じられる空間です。では和室を残したいと感じるようなメリットをご紹介します。

 

・防音性を高める

畳の原料であるイグサ内部は空気を含んでいるため、防音性を期待できます。フローリングとは違って音を吸収してくれるため、小さな子どもがいる家庭などにおすすめです。

 

・調湿・保温効果

イグサには調湿効果があるので、湿気の多い時季には空気中の湿気を吸収し、乾燥時期に放出してくれるため、室内の湿度を調整します。床から伝わる冷気を遮断する保温効果もあるので、冬の底冷え対策にぴったりです。

 

・フローリングよりも座り心地が良い

日本の家は素足で過ごすので、リラックス時は床に直接座ったり寝そべったりする習慣があります。ただ、一般的なフローリングは硬く、長時間直に座っているとお尻が痛くなりますよね。その点、畳はフローリングと比べてやわらかく、長時間座っていても疲れないので、自由に床でリラックスできます。

和風の部屋

どうすれば和室が和モダンな空間になる?

ではどのようにすれば、和室を和モダンな空間にできるのでしょうか。おしゃれに仕上げるポイントをご紹介します。

 

・壁を色や質感で遊ぶ

部屋の中で大きな割合を占める壁は、アクセントクロスで色を挿したり、質感を感じられる塗り壁にしたりするとスタイリッシュな空間に生まれ変わります。カラーを差し込む際は、畳の色とのコーディネートを楽しみましょう。「補色」の関係を意識し、緑には赤、青には黄色というように、反対の色を合わせると互いに色が際立ち、メリハリのある空間に仕上がります。落ち着いた印象にしたい場合は、緑と青のように似た色で組み合わせ、落ち着いたトーンのくすみカラーなどを選びましょう。

 

・小上がりにする

リビングやダイニングと接している和室は、1~2段ほど段差をつけた小上がりの「畳リビング」もおすすめです。段差部分に引き戸をつければ収納にも利用できます。階段の段差は、昇降しやすい約20センチ程度に設定されていることが多く、立ち座りする際は30~40センチが適切とされています。収納量を考えると、小上がりの高さも30~40センチに設定すると良いでしょう。

小上がりの和室

・障子やふすまを変える

和な印象を強くする障子やふすまを取り払い、別の建具に変えみましょう。壁の代わりに間仕切りに「スリット格子」を取り入れると、ゆるやかに視界を遮りつつ、スタイリッシュな空間に仕上げ、和洋どちらの雰囲気にも合います。ふすまを残し、カラフルなふすま紙を貼って部屋のアクセントにするのもおすすめです。

 

・用途に合わせて照明を変える

照明は、空間に遊び心を加えるのに最適なアイテムです。大正モダンなガラスや、温かみのある木製のペンダントライトなど、デザイン性のあるものはシンプルな和の空間で際立ちます。戸建で庭からの自然光を取り入れる場合は、目立たないダウンライトにするのも良いでしょう。床の間などがある和室は空間に凹凸があり、間接照明を忍ばせるのにぴったりの場所が多くあります。昼は自然光を楽しみ、夜は間接照明の穏やかな光で心身共にリラックスできます。

 

吊り押し入れでおしゃれに収納

収納は、床から浮かしたフローティング収納にするのもおすすめです。足元に空間ができると、部屋が広く見えるだけでなく床が掃除しやすくなります。さらに間接照明を入れれば、夜はおしゃれな空間に早変わり!

 

和室をリノベーションする費用と工期

では実際に和室リノベーションをするとなると、どれくらいの費用と工期がかかるのでしょうか。各工事の費用感などをご紹介します。

 

和室をリノベーションする費用

【洋室へのリノベーション】6~8畳の和室の場合

・フローリングへの変更:9~35万円程度

・壁と天井の壁紙変更:10~20万円程度

・壁の塗り替え:12~20万円程度

・真壁から大壁への変更:15~25万円程度

・クローゼットへの変更:15~25万円程度

・扉の変更:3~22万円程度

 

【新・和室へのリノベーション】6~8畳の和室の場合

・縁なし畳(琉球畳)への入れ替え:30万円程度

・小上がりの設置費用:20~50万円程度

・フローティング収納への変更:10~20万円程度

 

室内全体を洋室にリノベーションするとなると、100万円以上かかることを見込んでおくと良いでしょう。小上がりの設置においては、リビングルーム全体のリノベーションまで広がると高価になる傾向です。リノベーション工事はマンションや戸建てかで施工方法が変わります。また、内装に使用する材料によって工費が変わるため、機能性と価格のバランスが良いものを選ぶようにしましょう。

 

和室をリノベーションする工期

工期は1つの箇所につき平均2~3日として、内装を全面リノベーションする場合は1~2週間を見ておきましょう。しかし、和室とリビングをつなげる場合は間取り変更となるので、数カ月ほどかかります。工事の規模によっては、工事期間中は仮住まいになる可能性もあるため、施工会社に相談して、計画的にリノベーションを進めましょう。

 

まとめ

普段あまり使わない和室も、リノベーションによって使い勝手の良い空間へと生まれ変わることができます。洋室か、または和モダンな和室か、ご自身のライフスタイルに合ったものをじっくり検討してみてください。

 

和室をリノベ―ションしたい、けれどもどこからスタートすれば良いのかわからない方はぜひデザリノのデザイナーにご相談ください。プロの目線で導き出した、理想の我が家に近づくリノベーションプランをご提案致します。気になった方は、ぜひデザリノまでお問合せください。

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