畳リビングはこんな人にオススメ!畳リビングの魅力と失敗しない作り方
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日本の暮らしには欠かせないとされた和室。かつては集合住宅にも一室は構えられていましたが、今や和室を取り払ってLDKを拡張し、すべてフローリングで統一するリノベーションが増えています。
しかし、一方でリビングに畳を敷く「畳リビング」が注目されているのをご存知ですか。フローリングと畳を合わせたり、段差をつけて小上がりにしたり、モダンに進化した畳リビングの魅力を今回たっぷりご紹介します。
目次
畳リビングの魅力|メリットとデメリット
「畳リビング」もしくは「リビング畳」とは、畳を敷いた和風のリビングルームを指します。「和室」は壁で囲まれて居室として独立していますが、一般的に「畳リビング」はLDKの一画に間仕切りや壁などを建てずに設ける空間です。
一面フローリングで統一をしたLDKを見慣れていると、ちょっと不思議な印象ですが、実は畳ならではのメリットがあるのです。
畳リビングのメリット
古民家リノベーションのブームからも注目されている「和」テイスト。一昔前とは違って、畳のある和室は、モダンな和洋折衷でおしゃれな空間に生まれ変わっています。しかし畳は、機能面でどのようなメリットがあるのでしょうか。
・防音性を高める
畳の原料であるイグサ内部は空気を含むため、防音性を期待できます。フローリングとは違って足音などを吸収してくれるため、小さな子どもがいる家庭などにおすすめです。
・調湿・保温効果
調湿効果があるイグサは、湿気の多い時季には空気中の湿気を吸収し、乾燥時期に放出してくれるため、室内の湿度を調整します。床から伝わる冷気を遮断する保温効果もあるので、冬の底冷え対策にぴったりです。
・フローリングよりも座り心地が良い
日本の家は素足で過ごすので、リラックス時は床に直接座ったり寝そべったりする習慣があります。ただ、一般的なフローリングは硬く、長時間直に座っているとお尻が痛くなりますよね。その点、畳はフローリングと比べてやわらかく、長時間座っていても疲れないので、気ままに床でリラックスできます。
・大人数でもくつろぐことができる
フローリングにソファのリビングでは、くつろげる人数=ソファに座る人数に限られます。床に座ることもできますが、フローリングは硬く、気温が低い時季には足元から冷えてしまうことも。しかし畳リビングであれば、床に多く居場所をつくることができるので、比較的大人数でも一緒に団らんすることができます。
畳リビングのデメリット
LDKの一画に畳を敷くと、広さ次第では「空間の統一感が出にくい」、「ダイニングなどほかのペースが圧迫される」といったデメリットも考えられます。そのほかの注意すべき点もしっかりチェックしておきましょう。
・ペットのいる家庭には向かない
イグサは湿気以外にも臭いを吸収しやすいため、ペットを飼っている場合はその臭いがつきやすくなります。また、爪で引っかかれると畳の表面がボロボロになるので、屋内で飼っている家庭には向きません。
・汚れがつきやすい
表面が平でコーティングされているフローリングとは違って、畳の表面は植物なので、飲み物などの液体がこぼれるとすぐに吸い込み、シミができてしまいます。イグサ内に吸収された湿気や汚れで、カビやダニが発生する可能性も。「飲食は別の場所でする」といったルールを設けると良いでしょう。
・定期的なメンテナンスが必要
畳はイグサの茎で織られた「ござ」で表面を覆っています。消耗品の畳は年月が経つにつれて傷んでくるため、定期的なメンテナンスが必要です。3~4年経過した際にござの表裏を入れ替える「裏返し」、4~5年後にはござのみを新調する「表替え」を行い、10年を目安に畳ごと入れ替えましょう。
・「小上がり」をつくる際は2つの点に注意
畳リビングを「小上がり」にする場合は段差ができるので、バリアフリーやお掃除ロボットが対応できません。長く住む場合は、老後を見込んで使い勝手が悪くならないようにリノベーションしましょう。
畳の種類
畳リビングの“顔”ともいうべき、「畳」。畳には多くの種類があり、どれを選ぶかによって空間の印象は変わってくるので、念入りにチェックしましょう。
縁付き畳
端や角を傷みにくくする保護用の縁(へり)が両側についている、最も一般的な畳です。縁は耐久性を高めるだけでなく、さまざまな模様と色で空間の雰囲気をつくりだします。
縁なし畳
縁がない畳で、「琉球畳」が有名です。縁がない分、耐久性は従来のものよりも下がりますが、見た目の圧迫感がなく、フローリングとの相性も良いため、和モダンな雰囲気をつくることができます。
和紙畳
イグサのように細かくした和紙を編み込んでつくった畳です。天然のイグサに近い風合いで肌触りも優しく、変色しにくいのが特徴です。
フローリング用畳
「ユニット畳」とも呼ばれるもので、カーペットを敷くように設置できる畳を指します。簡単に和室風に模様替えができ、撤去も簡単なのが魅力です。
カラー畳
さまざまな色に染め上げた畳で、イグサ、和紙、または化学繊維を使用したカラフルなものがあります。化学繊維のものは熱が弱点ですが、ダニ・カビの発生や色褪せ、定期的なメンテナンスといった天然イグサのデメリットを解消する機能性が評判です。
畳リビングは和風・洋風どちらの家にもマッチする?
リノベーションをする際、畳リビングのみの設置も可能ですが、せっかくならLDKや家全体で空間をデザインしたいものです。畳リビングを導入するのであれば、和風・洋風どちらのほうがマッチするのでしょうか。それぞれでおすすめのコーディネート方法をご紹介します。
和風
和風なデザインの日本家屋には、当然ながら畳リビングが合います。戸建てで庭がある家では、土間をリビングとの間に設けると縁側として使うことができ、より開放的な空間に。小さな子どもたちがいる家庭なら、畳リビングから外で遊ぶ様子を眺めることができて安心です。
また、小上がりにして、畳を活かした掘りごたつでダイニングスペースをつくるのもおすすめです。家族でのごはん時間が楽しくなるだけでなく、冬はこたつにすれば皆が集まってくつろぐ、居心地の良い空間になります。テーブルの椅子とは違って、着席しながらそのまま寝転がることができるのも魅力です。
畳の空間に、テレビや棚など重い家具を置く場合は、畳の上に直接置くと凹んだり、傷んだりしてしまいます。そのため、畳の周りに板間のスペースを設けて、家具はその上に置くようにしましょう。
洋風
畳リビングは合わせる家具や色を工夫すると、洋風建の内装でもマッチします。フローリングのキッチンダイニングと同じ空間に畳リビングを設置したいときは、琉球畳などの縁なし畳を選んで和の印象を弱くするようにしましょう。フローリングと同じ色合い、もしくはソファや周辺で使うファブリックの色と同じカラー畳を入れると、空間全体で統一感が出ます。
コーディネートにおすすめの西洋家具は、北欧家具です。木材の表面を活かしたシンプルなデザインが多く、日本の美意識と通じるものがあるので、同じ空間にあっても違和感がありません。畳は植物のイグサでできているので、自然から着想を得て制作され、色合いもナチュラルなものが多い北欧家具とマッチします。
フローリングのリビングルームには欠かせないソファですが、直に座る畳リビングでは脇役と考えましょう。しかしソファがあれば、ソファに座る人、畳に座る人で、居場所の選択肢が増えるので、大人数でも空間にゆとりをもって団らんできます。ただし畳にソファを置く際は、なるべく低いものを選び、畳に座る人にとって圧迫感がないようにしましょう。壁際につくりつけのベンチやソファにするのもおすすめです。
畳リビングの種類
畳リビングは設置する際、「高さ」も重要なポイントです。フローリングのリビングだとキッチンダイニングで地続きなのが一般的ですが、段差をつけるだけでよりおしゃれで、機能的な空間になります。
小上がり畳
「小上がり」とは同じ空間内でも1~2段上がったところに設けた空間です。そして「小上がり畳」とは、小上がりに設けた畳リビングで「小上がり和室」ともいいます。
LDKがまとまっている住宅では、それぞれの場所でなにかをしながら会話できるのが魅力です。しかし、キッチンでの立ち仕事、ダイニングのテーブル席は目線が高い位置にあり、畳リビングで床に座っている人は見上げなければいけません。圧迫感があるうえ、そもそも会話をするのに首を上げ続けるのも大変ですよね。LDK全体を家族団らんのスペースにするには、小上がり畳にして目線の高さを合わせましょう。段差部分に引き戸をつければ収納にも利用できて便利です。
階段の段差は、昇り降りしやすい約20センチ程度に設定されていることが多く、立ち座りする際は30~40センチが適切とされています。収納量を考えると、小上がりの高さも30~40センチに設定すると良いでしょう。
小下がり畳
小上がりとは反対に、1~2段下げてスペースを設ける「小下がり」があります。「サンクンリビング」もしくは「ステップダウンフロア」とも呼ばれているものです。
フロアが下がる分、天井が遠くなるので開放的な空間になり、段差部分もベンチや収納に使用できて、機能面でも充実しています。小下がり畳はゆるやかに空間を区切るので、ダイニングキッチンから離れた場所、住宅の中でも奥まった場所などに設置して、リラックススペースとして活用しましょう。ただし小さな子どもや年配の方がいる家庭は、段差がケガの元になる可能性もあるので注意してください。
畳リビングを作るには何畳必要?
LDKの平均的な広さは、戸建て・マンションに限らず、ファミリーで約16~20畳です。平米数が広くても居室数を多くすれば、その分LDKの畳数も少なくなります。
リビングダイニングは13~16畳程度が一般的ですが、フローリングの場合は地続きなので家具のサイズによって、ダイニングとリビングの空間が分けられます。しかし畳リビングの場合は、床で空間が明確に区別されているため、設計時にきちんと適切な広さかどうか確認しましょう。
リビングを小上がり・小下がりにする際の理想的な広さは、4.5畳といわれています。スペースに限りがある場合は3畳でも十分でが、LDK全体が狭い中に無理に設置すると狭く感じることもあるため、施工業者に相談しながら検討しましょう。
まとめ
日本ならではの、居心地の良い畳リビング。イグサの香りに包まれて、床に寝転がりながらそのまま昼寝……なんて贅沢な休日の過ごし方を送りたいものです。
理想的な畳リビングをつくりたい、けれどもどこからスタートすれば良いのかわからない方はぜひデザリノのデザイナーにご相談ください。プロの目線で導き出した、理想の我が家に近づくリノベーションプランをご提案致します。気になった方は、ぜひデザリノまでお問合せください。
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