築40年以上の物件リフォームor建て替え、どちらが良いか比較してみよう

築40年以上経っていると色々な場所に問題が出てくるものです。そんなときに「リフォームした方が良いのか、それとも建て替えてしまった方が良いのか分からない」という人も多いのではないでしょうか。リフォームと建て替えを比較して、どちらがおすすめかを詳しく解説します。

1981年に施行された建築基準法改正前後の「旧耐震基準」と「新耐震基準」の違い

築40年以上経った建物のリフォームや建て替えについて考える前に「耐震基準」について考える必要があります。耐震基準とはその名の通り、建物が耐えられる震度の基準のことです。耐震基準は1981年に建築基準法の改正によって変更されました。

旧耐震基準では「震度5の地震に耐えられる」という基準でしたが、新耐震基準では「震度6の地震に耐えられる」というのが基準となりました。

築40年以上の物件は耐震工事が必要

築40年以上の物件は旧耐震基準で建設された建物なので、新耐震基準を満たすように工事をする必要があります。

「建物が旧耐震基準で建てられたか、新耐震基準で建てられたか分からない」という人は、

建築確認申請が受理された日を確認しましょう。建築確認の通知書の発行日が、昭和56年6月1日以降であれば新耐震基準、5月31日以前であれば旧耐震基準の建築物です。

建て替えよりもリフォームの方がおすすめな理由

住宅の基礎部分から取り壊して一から作り直す「建て替え」と、基礎部分を残して部分的に改修等する「リフォーム」、どちらを選択すれば良いのでしょうか。さまざまな要素から、リフォームを選択することをおすすめします。

固定資産税が新築よりお得

土地や建物を所有すると、固定資産税がかかります。固定資産税は土地や建物の評価額によって決まり、築年数が古いほど安くなっていきます。建て替えをすると新築となり固定資産税が増えてしまう場合がありますが、リフォームの場合、固定資産税が変わらないことが多いです。リフォームの場合でも、増築等を行うと固定資産税が増えることがあるので、施工会社と相談しながら工事内容を検討しましょう。

登記などの手続きが少ない

住宅の基礎部分から取り壊して一から作り直す「建て替え」をした場合、以下のようなさまざまな手続きを行う必要があり、手続きには専門家への依頼をする必要があります。一方リフォームの場合一戸建てであれば自治体への「建築確認申請」が必要になることがありますが、建て替えに比べると登記などの手続きが少なく済みます。リフォームをする際は、管轄自治体の建築指導課などに手続きに関して問い合わせみましょう。

・滅失登記：

建物を解体する場合、1カ月以内に建物滅失登記を申請しなければなりません。滅失登記を怠ると、古い建物と新しい建物の両方に固定資産税の課税通知が来てしまう場合があります。建て替えを行う場合は解体作業が伴うので、滅失登記が必要になります。

・表示登記：

建て替えを行った場合は土地家屋調査士に依頼し、表示登録をする必要があります。表示登記とは、不動産の所在や規格などについて公的な登録を行う制度のことです。自分で申請手続きをすることもできますが、登記書類の作成や添付書類の調査や準備が必要になるので専門家に頼むことをおすすめします。

・所有権保存登記:

所有権保存登記とは、「建物の所有者が誰か」を記録する制度のことです。所有権保存登記は必ずしも行わなければならないものではありませんが、所有権保存登記を行わない場合、住宅ローン等の銀行融資を受けられない危険があります。また銀行融資を受けるためには、ミスなく手続きをする必要があるので、基本的に司法書士に作成を依頼することになります。

リフォーム系の補助金制度が使える

リフォームをする場合、補助金を申請できる場合があります。補助金を申請できるかどうかは、リフォーム予定の家屋がある市区町村に確認しましょう。

リフォーム系の補助金制度に関しては以下のコラムをご参照ください。

意外とお得？おしゃれな古民家リノベーションを実現する方法＆補助金制度もご紹介 | デザリノ｜住宅・店舗・事務所物件のデザインリノベーション

リフォームと建て替えの費用比較

築40年の建物をリフォームするか建て替えにするか考える際に、費用は非常に重要な要素です。それぞれの費用感を把握した上でご検討ください。

また工事費用だけでなく、工事中の仮住まいの費用や登記の際にかかる費用があることも把握しておきましょう。

多くの場合、リフォームの方が費用は低いです。しかし場合によってはリフォームの方が高くなる場合もあるので、一度専門家に相談することをおすすめします。

・建て替えの費用：

建て替えの場合の費用の目安は1,000〜4,000万円が目安です。また工期が3〜8ヶ月程度かかるため、その間の仮住まいの費用も必要となります。また登記の際に専門家に依頼する費用も必要となります。

・リフォームの費用：

リフォームの場合の費用の目安は400〜2,500万円が目安です。また工期が1〜5ヶ月程度かかるため、その間の仮住まいの費用も必要となります。

築40年以上の物件リフォームを成功させるには？

築40年以上の物件の場合、リフォームにするにしても建て替えをするにしても、大きな決断となるでしょう。どうするのがベストかしっかり考えた上で決断してください。

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